2014年10月15日水曜日

4K映像の新しい用途“4Kフォト”

4Kという言葉を耳にしない人はいないぐらい最近4K映像の関心は高まってきています。
4Kテレビ、4Kカメラ、4K放送、4Kフォト・・・と4Kの時代を感じさせるフレーズが頻繁にとびっかっています。
4Kとはと言うと解像度のことで、調べるとトップに4K解像度のウィキペディアページが出てきます。



横4,000×縦2,000前後の解像度に対応した映像に対する総称である。Kは1,000を表す「キロ」の意味で、横・縦の解像度を意味する4K2Kとも呼ばれる。
   ウィキペディアより


とりあえず今のデジタル放送の解像度(1920:1080)の画面4つをくっつけた4倍の解像度があり、とてもクリアで美しい映像ということです。



さて4Kが話題になり最も気になるのは「4Kフォト」というフレーズです。

「4Kフォト」とは?


その中身はPanasonicさんにあります。


パナソニック4Kフォトページ
http://panasonic.jp/dc/4kphoto/special/



上のホームページを開くと
「カメラにシャッターボタンは必要か?」
という言葉が 最初に出てきます。


シャッターボタンを押さないで写真を撮るということは事前にシャッターでなく録画ボタンを押すとい事ですね。
もちろん録画ということは動画になります。
パナソニックの4K映像は後から写真にできるということです。

つまり動画から写真を切り出すことで瞬間を逃さずに写真を撮れるということです。

しかしそんなことは今までのフルハイビジョンでも十分出来たでしょうが、どこまで綺麗に撮れるかが重要です。


前述に記載したとおり解像度に関しては4Kあれば十分な大きさですが、色合いなど普通のビデオカメラでは綺麗にいかない部分もあるでしょう。
そこでパナソニックはミラーレス一眼で4Kフォトを売り出しています。
一眼レフで映像を撮り、そこからそのまま写真にできるのです。



4Kフォトの作り方
http://panasonic.jp/dc/4kphoto/special/



一眼レフなので、シャッターボタン写真も撮れて、しかも値段が安い。

この4Kフォトの動きはこれからの写真カメラマンの考えを大きく変えることでしょう。

様々な場面で4K映像で収め、映像はBlu-ray、写真は4Kフォトにするという形も増えていくことでしょう。


4Kのテレビ以外での用途が増えていけば、これから4Kが更に広がっていくことと思います。


この動きに期待して、今まで以上に更に 良いものづくりを目指します!!




すみれ映像部より

2014年10月10日金曜日

「優れた仕事に優れた道具 職人とノーベル賞」

テレビ東京の番組に「和風総本家」というのがある。

時々「世界の中のメイドインジャパン」として、世界中の技術者や職人が愛用している日本製の部品や道具作りの職人技を紹介している。

昨晩は、カナダのトーテムポール作りの職人が愛用する兵庫三木の「鍛造刃物」、フランスのモザイク作家が愛用する愛知岡崎「トンカチ」、元YAMAHAの職人がつくるクラリネットのリガチャ、イタリアのバイオリンの修復師が愛用する新潟長岡の小さく薄い鋸が紹介された。

最近多い、日本文化の自画自賛バラエティとは違い、職人の誠実な仕事に目を向けるこの番組は見ていて小気味いい。
同じ管楽器SAXを趣味とする私にしてみると、リガチャという部品一つで、音色が違うなんて全くの驚きだった。
さらに、この番組は芸術家や優れた仕事をする人と、その人が使う小さな道具にスポットを当て、尚且つ、作り手と使い手の作業をVTRで見せ合うという念の入った演出がしてあって心憎いのである。優れた仕事には優れた道具があるのだ。


 今はちょうど、ノーベル賞のシーズン。今年の物理学賞には日本人3人が受賞した。
不可能と言われていた青色発光ダイオードを発明し、今や照明のみならず、情報通信や映像などあらゆる応用技術が世の中に革新をもたらした。
ニュースではこの「応用科学」に寄与した「基礎科学」を築いた3名を賞賛していた。


 兵庫三田は大工、愛知岡崎は石工で有名な町、そういう町だからこそ、刃物やトンカチも優れた道具がある。
科学技術も、優れた「基礎科学」があってこそ「応用科学」が育つのだ。


 私たち映像の仕事で言うと、映像の技術は、日々進歩している。DVDからハイビジョン、今度は4K、8Kの時代だ。
基礎となる映像技術は進んでいる。あとは使う私たちが、もっと優れた仕事をしていかなくてはいけない。
 ノーベル賞受賞者と名も無き町工場の職人を交互に見ながら、秋の夜にあれこれ思う。


2014年9月5日金曜日

すみれビジネスのオープン


以前よりビジネス用映像制作を承っておりましたが、本日よりサイトをオープンし本格的に承ります。

映像はメッセージを強く出す事が出来ます。

強いメッセージを求めるビジネスでは映像は欠かせないものであると思います。

他社よりいいものを、

他社よりいいサービスを、

映像で伝えましょう!!


弊社は社会人のビジネスライフを応援します。




2014年9月2日火曜日

様々なウェディングの形

こんにちは、すみれ映像舎の制作担当です。

毎週ウェディングの撮影や演出映像の作成を行っております弊社ですが、
最近のウェディングはかなり個性的だと感じます。



リゾート地で行うリゾートウェディングやゲストハウス等を貸し切って行う形等、
昔行われていた神道での式、ホテルでの結婚披露宴が当たり前ではなくなってきました。





それはやはり個性を求める人が多いからなんでしょうね。

それと個性を出せる時代になったとも言えるでしょう。





しかしなにがベーシックなのか解らなくなって来たからこそ

逆に困る人も多いのではないでしょうか?



そう選択肢が多すぎるのです。




そんな中ゼロ婚というものを見つけました。


ゼロ婚とは『費用について安心して結婚式を上げてほしい』という思いから、京都という街で地域密着型の結婚式を提供しているそうです。



ただ安ければよいというわけではなく本当の意味で安心出来る結婚式のようです。

無駄を省き追加料金も発生しない、上に会場選び等一つ一つ丁寧に作り上げていってくれるそうです。


ゼロ婚
http://www.zerokon.jp/system/



新郎新婦にとってはとても良い団体だと思いました。



今後この流れが大きくなっていってほしいですね。




ちなみにすみれウェディングではプロフィールムービーを販売中!!

新商品でありますComicを紹介します。




よろしくお願い致します。














2014年8月29日金曜日

バレエ撮影!!

すみれ映像舎としていくつものバレエのビデオ撮影・編集に関わってきました。

改めて思う事ですが、



バレエは美しい。




その人がベテランであっても、まだはじめて間もない人であっても、同じことを思います。







そんな訳であって
舞台撮影の中でもバレエは特に“美しさ”を意識します。




一生に一回の彼女らの演技です。
映像として撮れる事は本当に幸せだと感じます。







2014年8月13日水曜日

すみれウェディング!!

すみれ映像舎がウェディングページを開設しました。



もともとウェディング映像制作をしていた弊社ですが、今回は本格的にネットショップとしてオープンしました。




面白いプロフィールムービー、面白いエンドロールを用意しております。


是非お立ち寄りください!!


すみれウェディングページ
http://www.sumileeizosha.com/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/




下の動画はすみれウェディングの一押し商品『cubic』です。

写真を立体的に見せるちょっと変わったプロフィールビデオです。

是非ご観覧ください!!




2014年6月4日水曜日

「アンと花子と専業主婦」

NHKのテレビ小説は、朝、夫と子供を送り出した主婦が、ほっと一息ついて観る15分、というのを聞いたことがある。第1作は1961年、高度経済成長期。途中から年2作になり半世紀以上続き、現在86作となる。

 専業主婦というものが日本で一般化したのが、この高度成長期。これ以前は人口の半分近くが第一次産業だから、農業と主婦業というのが日本女性の主な仕事だったと言えるだろう。また、生活家電、スーパーが発達していない時代主婦業は重労働だったはずだ。
 1960年代、高度経済成長はサラリーマンや製造業従事者の妻が、この専業主婦になっていき、今見直しが進んでいる「所得税の配偶者控除」が出来たのもこの頃。この悪法は、女性の仕事への意欲を削ぎ、先進国中女性の社会への進出105位という結果を生んでいる。政府としては、専業主婦化した労働人口は失業率の母数から除かれるので、統計的に労働政策の非難を回避できた都合のいい仕組み。NHKの「朝の15分は専業主婦の時間」も、日本的な風景を作るのに一役買ってきた。
 そのうち、ビデオが一般化し、帰宅後見ることもできるようになったが、相変わらずこの枠は、女性が主人公のドラマ枠になっている。「おしん」のような立身出世物語や、様々な職業の女性が人生を変遷していくもの。専業主婦が主人公でなく、その憧れのようなものが反映しているのかもしれない。

今作は「赤毛のアン」の原作者村岡花子の半生をお孫さんが書いた「アンのゆりかご」をもとにしている。村岡花子の人生に、赤毛のアンのエピソード(自分の呼び名、石板で同級生を叩く、お酒を飲んでの大失敗、おじいにマシュウの口癖(※これはアニメから拝借))を盛り込んだ、幾分ファンタジーのような話と思いきや、5月に入って、蓮子なる謎の人物が出てくる。自らを白蓮と名乗るので、もしかしたら「白蓮事件」の?と思い調べるとまさしくそうだった。村岡花子と交流があったようだ。ここで一気に、このドラマが、村岡花子の半生を童話的に物語るのではなく、大正昭和の激動の歴史の中で語られていくことを知った。(私はこういう展開が好み)

 赤い髪にコンプレックスを抱えるアン。見た目や容姿に劣等感を抱える女の子が、いつの間にか自らの努力でそれすらも克服していく物語「赤毛のアン」は世界中の女の子のバイブル的な本だった。が、カワイイに振り回され、化粧品や、ネイル、つけまつげにお金をつぎ込み、簡単に美容整形してしまう現代の日本人女性には耳の痛い物語になってしまった。

 専業主婦、ファッションや美容にお金を使わせられる仕組み、いつの間ににかどこかの誰かに踊らされている。Anneはそんな子じゃないし、そんな子に憧れていたこと思い出してもいいんじゃないかな。

2014年5月12日月曜日

「『How I live now』予告編と公開されない映画」

 映画館へ行った時の楽しみの一つが予告編、たっぷり5分は見させるが、どれもこれも見たくなる。
実際見るとそれほどでもない。
映画を観て感じる心理と、予告編を見て感じる心理は確実に違うのだろう。まんまと私たちははめられているのだ。


 最近では、YouTubeで気軽に見られる。日本公開前のものも有り、期待が高まる。そんな映画の予告編を一つ。

シアーシャ・ローナン演じる事情のありそうな美少女が空港に降り立つ、いとこの住むド田舎にやってきた彼女は、やがて心を開き・・・ボーイ・ミーツ・ガール物か?と思いきや、何かが彼らに迫る。
遠くに響く音が近づき・・・モンスター・ホラー物か?と思いきや、状況がわからない少年少女たちに銃口が突きつけられる。どこかの誰かが戦争を始めたのだ。彼女らは収容所に入れられ、やがて脱走する。

第三次世界大戦が起きたら?というお話。全世紀の後半は世界中の人がこの影に怯えていたが今では古臭いテーマ。

原作はメグ・ローゾフの『わたしは生きている』。原作も評価が高い作品。公開は、去年の夏、欧米で、日本公開は未定だった。そして未だに日本での公開予定はない。

主人公シアーシャ・ローナンは、たった2分の予告編で、周囲に心を閉ざす冷たい少女の表情、同年代のいとこに心打ち解けた時の笑顔、恋する乙女の目の輝き、そして、恐怖と苦しみの表情と様々な顔を見せている。映画『ラブリーボーン』の主人公だし、原作の邦訳も出版されているし公開しない理由はなんだろう?やはり第三次世界大戦は古臭いのか?

 冷戦終了後、第三次世界大戦を想定した映画・フィクションはほとんど見なくなった。ユーゴ内戦、イラク戦争、アフガン戦争、シリア内線と戦争はあっても遠いよその国、今、自分たちの生活している場所が戦場になるなど誰も思っていない。想像力の働かないところにはフィクションすら生まれない。唯一戦争を想定してものを言っているのは、意外と安倍総理かもしれない。しかもチョー現実的だけど。ウクライナ情勢が混沌とし、ロシアの先祖返りが明らかとなった今、こういう映画こそ上演すべきなんじゃなかろうか?
あれっ意外と安倍さんに気を使って、この映画公開しようという会社出てこないのかな?

How I see now

2014年4月29日火曜日

「オードリーとナタリーとバレエ」

「グレーテルのかまど」という教育テレビの番組で、オードリーヘップバーンのチョコレートケーキが紹介されていた。

有名人とそのお気に入りのスイーツをレシピに忠実に再現する少し変わった料理番。
有名人にまつわるスイーツの心温まるエピソードと、美味しそうなスイーツの組み合わせは、週一回の楽しみ。

 オードリーヘップバーンの映像を見ていて、「誰かに似ている?」としばらく考えていると、幼少期の写真が出て、映画「レオン」のナタリー・ポートマンが浮かんだ。

ネットでも既にふたりが似ているってことを書いている人がいるようで、別に私の大発見でも何でもないが、女優を超えて多くの人々に愛される要素を二人は持っているということだろうか?
アカデミー受賞作「ブラックスワン」では、主役に抜擢されながらも狂気に支配されていくバレリーナを鬼気迫る演技で見せてくれました。

オードリーヘップバーンも、女優になるまえは、バレエダンサーを目指していたようで、ますます二人が重なって見えます。

晩年は自らの戦争体験から、国連の活動にも積極的に関わっていたオードリー、ナタリーポートマンも、そういう活動をしていくのかな?あるいは、その前にオードリーのようにひっそりと家庭生活に入っていくのでしょうか?


 週末、バレエ教室の発表会の撮影に伺いました。

広い舞台をくるくる回る妖精のようなバレリーナの美しさ、ぴょんぴょん跳ねてるバレリーナの卵たちも可愛く、未来のオードリー、ナタリーたちの仕上がりが楽しみです。

2014年3月11日火曜日

アルキメデスの不思議な機械

塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読み返している。
ちょうど古代ローマと強国カルタゴの死闘、ハンニバルが登場する第2次ポエニ戦役の箇所だ。
カルタゴの植民地スペイン育ったハンニバル軍が象を伴いアルプスを越えてローマ本土にやってくる。
戦術の天才ハンニバルは次々にローマ軍を打ち破り、首都をかすめて南部イタリアに16年にわたって居座る。
現代の戦車象、アフリカの騎兵を縦横に操るハンニバルに対してローマの武将は歯が立たない。
決戦を避け持久戦に持ち込んだローマも、やがて、スキピオというもうひとりの軍才ある青年の登場で反攻に転じていく。
 しかし、歴史はそう上手くはいかない。
シチリアのシラクサでの戦線が膠着する。
このシラクサに住む著名な数学者の繰り出す奇想天外な兵器でローマ軍は攻めあぐねてしまう。
その数学者はアルキメデスだ。
塩野さんが言うには、ローマ軍のみならず2000年後の高校生まで悩ましちゃうすごい人なのだ。
 
ちょうど先日NHKの海外のドキュメンタリー番組で、「アンティキテラ島の機械」をやっていた。
前から読みたいと思っていた「アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ
という本のTV版だ。
100年前、ギリシアのアンティキテラ島の近くで見つかった沈没船に、2000年以上前に作られたとは思えないいくつもの歯車を持った精巧な作りの機械が見つかった。
雑誌「ムー」的に言えば、オーパーツ。
人類を凌駕する文明を持った異星人、又はアトランティスの人々、はたまた時間旅行者が間違って落としていったものか、同じような精巧な機械は、約1000年後のルネサンス時代になるまで現れない。いったい誰が何のために・・・?
 ドキュメンタリーは、近年特に進んだ光学的解析技術等をとり入れて、この機械の正体を突きとめていく。
その正体は、ネタバレなのでここでは明かさず、その設計思想が明らかになる。
小型化、専門家以外にもわかる取説付き、インターフェイスの理解しやすさ、つまり、携帯パソコンを作る思想と同じなのだ。
要は携帯〇〇を作ったのだ。
 では、これを誰が作ったのか?月の神の名前からコリントス人であると予想される。
アルキメデスのいたシラクサはコリントス人が作った町だ。

第2時ポエニ戦役、アルキメデスの知恵に舌を巻くローマもやがて、シラクサを攻略する。地面に書いた数学の問題を解くのに必死でローマ軍に攻め込まれたことを知らないまま、無名の兵士に殺されたアルキメデス。
アルキメデスが持つ2つの機械のうち1つはローマの武将が戦利品として持ち帰る。
その子孫が、披露した様子をローマ時代の文筆家キケロの記述から知ることができる。
その内容が、正しくアンティキテラの機械と同じ機能を示している。

アンティキテラの機械、機械に刻まれた神の名、同じ神の名を持つシラクサの民、アルキメデスの機会を持ち帰ったローマの将軍、キケロの記述。それぞれが繋がり、環が完成する。
1個の機械の解明が、伝承されている歴史が事実であったことをより強くさせている。
シラクサの街の路上で地面にひたすら数式を書くアルキメデス、2000年以上前に本当にあったシーンなのかもしれない。

 「アンティキテラの機械」は、現代人に古代の人の息遣いを感じさせる、そんな機能もあるのかもしれない。

2014年3月7日金曜日

第6回恵比寿映像祭に行ってきました。

今年も恵比寿の写真美術館で行われた映像祭に行ってきました。
この映像祭は新しい映像の表現を求めて様々な映像作家の作品が無料で観られる大変画期的な映像祭です。

私はこの映像祭に第三回から4年連続で観に来ています。
こうなると第一回も第二回も観たいと思ってしまいます。

それほどこの映像祭には映像人として期待しています。


そして今年も期待する映像祭が行われました。



(TRUE COLORS)


と題するように今年一番目を引いたのは分藤大翼BUNDO DAISUKEさんの南アフリカの熱帯雨林地域に暮らすバカ族の記録映像でした。


記録は壊れたカセットテープを修理し、再生するまでの過程を記録した映像です。


別に何か起こる訳のない何の変哲もない映像ですが、全く環境の違う地域に暮らす人々の生活を特別な映像に感じました。



豊かな民族音楽を継承する人々の間にもラジカセが浸透するなど徐々に生活の変化の波が押し寄せている。


そんな記録映像が淡々と流ながれていました。



改めて映像とは


〝意味のあるもの〟と感じました。


どんな映像にも意味がある。

〝意味のない〟映像にも〝意味のない〟という意味がある。


時代が進み
これからも映像がどんどん変わっていく事でしょう。


しかしこれだけは変わらない事です。




意味のある情報を

どう表現するか?

どう発信するか?

これからの時代は問われるものだと思います。



それ突き詰めるという意味で恵比寿映像祭の存在はとても貴重なものであると感じます。

2014年3月5日水曜日

ウクライナ情勢と「まんが世界昔ばなし」ナイチンゲール

日曜日の早朝、東京MXテレビという東京ローカル局では、「まんが世界昔ばなし」というのを再放送している。
70年代、「まんが日本昔ばなし」を受けて制作された。
当時は「まんが偉人物語」とか「まんがはじめて物語」とか、今の大人をもターゲットにする深夜帯のアニメがある時代では考えにくい番組。再放送という形だが、東京MXテレビを褒めたい。

 3月2日の放送は「ナイチンゲール」だった。
昔ばなしと言いながらも、世界の童話や民話に限らず、シェークスピアやギリシア神話など多岐に作品が広がる中、偉人物語のジャンルもあった。
 ナイチンゲールは、看護婦(あえて看護師でなく)という職業の先駆けで確立した人、その行動は国際赤十字の誕生を生んだ。
彼女にあこがれて看護婦になった女性は世界中にたくさんいる。
 そのナイチンゲールが、看護婦という仕事を始めるに至ったのが、1854年に始まるクリミア戦争だ。
 奇しくも、ウクライナ情勢が緊迫する2014年まさしく、今世界が注視する場所こそがクリミア半島なのだ。160年の時を経て、東京MXテレビの「ナイチンゲール」がぴったりシンクロしてしまった。


 産業革命の進展は兵器産業の技術革新も起こし、クリミア戦争はそれまでにない大砲や銃で兵士の殺傷能力を著しく向上させた。
ナイチンゲールの献身的な看護は、傷病兵の死亡率を下げ、国も一定の評価するようになるが、それは、回復した兵士を再び戦場に送り込めるからで、彼女自身、派手に宣伝されるのを嫌っていたようだ。


 ナイチンゲールは長命で90歳まで生き、実はクリミア戦争後もいろいろな分野で活躍をした人で、日本では海軍の軍医高木兼寛がイギリス流の医療ともに看護婦の仕組みを日本に広めた。
ちなみに森鴎外こと森林太郎は、陸軍の軍医としてドイツ流の医療を広めた。
日本の近代医療はこの二派のせめぎあい、吉村昭さんの小説「白い航跡」に詳しく載っている。

 医師のみで医療は成り立たず、看護の重要性は今や当たり前の事実だが、160年前戦場での負傷兵の看護が兵力補充へ貢献することにより認められるという皮肉な評価がスタート地点であった。
せめて21世紀の今日、戦場での看護そのものが起きない世界を人類は目指さないといけない。


2014年2月20日木曜日

4K映像に合わせた周辺環境

4K映像の登場と合わせてH265という映像フォーマットがやってきた。

H265とは映像の圧縮形態の事です。

現在AVCHDなどで採用されている、H264の後継者であります。

単純にH264の2倍の圧縮率を誇る。


今までの撮影では32GのSDカードにAVCHDフルハイビジョン(ピットレート17Mbps)で3時間ちょっとの取り込みが、
H265だと6時間以上取り込めるようになります。


もちろんこれは4Kの為のコーディックです。4Kではどの程度撮影出来るかは私には分かりません。



そしてもう一つの動き


高速SDカードの誕生!!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140214-00010009-giz-prod

巨大容量CFカード!!
http://www.phileweb.com/news/d-av/201311/08/34074.html

Sundiskさん全速力です。



さて

第4世代のCPUなどPCでの編集環境や4Kテレビなどの発売により

4K映像の周辺環境が着々と整ってきました。



この流れで今後、映像撮影環境はどう変わっていくでしょうか?


4Kでの環境は前に記事で述べた通り

おそらく4Kは町中(デジタルサイネージ、巨大モニター、映画館等)でみることが多くなる事でしょう。





私が気になるのはフルハイビジョンでの映像環境です。





RAWデータの普及や高ピットレートAVCHDなどが市場に出てまいりました。



1、ビクター AVCHDでまさかの50Mbps!!!
http://www.pronews.jp/news/1402191510.html


2、Blackmagic10万円代のRAWカメラ!!(前回で述べた通り)




4K環境普及でより面白くなりそうなのが、現存のフルハイビジョン。



個人的には

高圧縮H265で50Mbpsでの長時間撮影や、

CFカード256GでのRAWデータ長時間撮影等

が出来てくれたらとても嬉しい事です。



私の理想は

SDカードとCFカードのダブルスロットルでCF_RAWデータとSD_AVCHDの50Mbps撮影が
1台のカメラで両方出来るようになる事。


これで今まで以上に心地よい編集環境が揃えば、

映像制作をもっとクリエイティブに出来るはず!!


映像の夢はつきません。
ソニーが出した4Kハンディカム

2014年2月19日水曜日

『明日ママがいない』と『CM自粛』とカエルの魔術

日本テレビのドラマ『明日ママがいない』の描写が実在の特定の施設を想起させ施設の児童、全国の同様の児童に影響があるとして、ドラマの中止を申し立てられた。

当初は強気の制作サイドも、実害の発生、スポンサーの降板など続き、結局、内容を変更することで日本テレビが折れた模様。
 ちょうど同じような時期に次の2つのCMが『自粛』という形で中止になった。

・キリン『本搾り』のCM
・全日空『羽田国際便』のCM

前者は、アルコール商品なのにかわいいカエルのキャラクターが出ることで未成年、特に子供に飲酒を喚起するとして、後者は、金髪・付け鼻という白人系外国人をカリカチュアライズした内容が、外国の人の不快感を呼ぶと言うのが理由だ。

ドラマ・CMの内容はともかくとして、
これらに関する様々な意見がネットに多く出ている。

ちょっとまとめると
・少数のクレーマーに怯える企業
・ネットの巨大な力、Twitter、ブログの力
・これらの自粛騒動に反応する有名人のTwitterがまた次の記事となる。
・果てはファシズム社会の到来の予兆。


インターネットが登場して20年、ネットビジネスの仕組みを簡単に言うと『クリックされてなんぼ』なのである。

隣の国の悪口記事がよくクリックされるのであれば、企業はためらいもなく、そのサイトに広告記事を載せる。
記事を書く人間も、美談や褒め言葉よりも、誰かを非難したり、貶める方がたくさんクリックしてもらえるとわかっているので、せっせと、誰かのミスや失態を探しては、批判記事を書く。

かくして、ネットの大半は悪口ばかりになる。(もちろん自分が知らない見解や新しい発見もあり、目を開かせてくれるものもある。そういう記事に出会える確率は低いのだが。)

 企業はネットが、ビジネスな強力な武器にもなれば、壊滅的な影響も受ける諸刃の刃であることを知っている。

 火がついては遅いので、火の気を見たらすぐに行動を起こす。
もしかしたら、ライバル会社を貶めるような記事を書かせたり、人を雇って悪意ある口コミを書かせている会社もあるかもしれない。
お金を払って芸能人にマーケティングの一翼を負わす「ステマ」なんてのが当たり前の時代。

ネットの意見なんて裏で何が進行しているのかわからない。

 結局、冷静になってみれば、『明日ママがいない』、お酒や航空会社のCM、今の私の生活に接点はない。
なのに、この手の記事をネットでクリックしているし、わざわざ、こんなブログも書いている。
私同様、多くの本来、興味がなかった人まで、この話題の続報を、人はせっせとクリックしているのではないだろうか?恐るべし・・・・。

 もしかしたら、今度スーパーに寄ると、「カエルのお酒、カエルのお酒・・・・」と唱えながら、キリンの『本搾り』を手にとっているかもしれない。


しまった。既に私はだれかの術中にはまっている!

2014年2月14日金曜日

Ustreamはじめました

もう一週間ほど経ってしまいましたが、先日、すみれ映像舎presentsと題しまして、私の主宰する劇団ザ・プレイボーイズのリーディング公演「さよならかぐや姫2014」を、Ustreamにて生中継致しました。

ご覧いただけた方、また、少しでも気にしていただけた方、ありがとうございました。


配信の模様は、また後日アップさせていただく予定です。
よろしければ、そちらもどうぞよろしくお願い致します。



ここからは劇団主宰として、そして今回初めてUstreamを配信してみたものとしての個人的な感想になってしまいますが、
配信は、とても楽しいものでした。

もちろん、作品についての反省もいろいろあります。
しかしそれ以上に、自分たちの作品が今の瞬間、全世界の目に触れる可能性を持っているということに、
思っていたよりも喜びを感じることができました。


私がかつて劇場で公演を行っていた際、友人や知人の方がほとんどを占める客席に
(もちろん、その方たちも大切なお客様であることに変わりはないのですが)、
少しばかりの閉塞感を感じたこともありました。

もっと、私たちを知らない人や、なんの興味もなかった人にも、出会ってみたい。
そこで一瞬でもいい、通じ合ってみたい。
そんな想いの可能性を、広げてくれるメディアなのだなと思いました。


また、様々な理由で、劇場に足を運べない人はたくさんいます。

仕事が忙しい、お金がない、家が遠い、チケットがとれない…
見たいのに行けない、見てほしいのに来てもらえない。

そんな双方の気持ちの落とし所としても、素敵な技術のように思います。


私なども、故郷の友人や家族、かつて演劇をやめてしまった友達など、公演の度、届けたい人がたくさんいます。
パソコンやスマートフォンがこれだけ普及している昨今です。
ほんの少しで、元気な姿を見せることもできる、いい時代になったものです。


それから、なんとなくの私の主観ではありますが、人気のある劇団さんほど、Ustreamでの配信を普段からやられていたり、そういった要素を取り入れた作品を意欲的に発表しているような気がします。
もう、いい作品を作るだけでは足りない。
そんな風に、世の中が進んでいっているようにも思えるのです。


すみれ映像舎のUstream、これからもっといろいろな幅が広がります。
もし配信などにご興味がおありでしたら、是非お手伝いさせてください。



お問い合わせ、ご相談等々、お待ちしております!

2014年2月13日木曜日

「東京に大雪が降ると・・・」

週末の8日土曜日は東京でも記録的な大雪。
東京に大雪が降ると不吉なことが起こる。
・元赤穂藩四十七士による吉良屋敷討ち入り事件
・江戸幕府老中井伊直政暗殺事件
226事件
ウヒャー!
後世の人の評価がどうあれ、これらの事件は全て「テロル」。
暴力によって政治的目的を達しようとする行為だ。
不謹慎だが真っ白な雪に赤い血。
これも東京が持つたくさんのイメージの中の一つだ。
 もちろん、8日は大事件はなく、誰かがどこかで何かを企んでいたということもない。私個人の大事件は、夜、新木場駅でなかなか発車しない吹きっさらしの電車の中で凍えていたくらいだ。あ~寒かった。

 明くる9日は東京都知事選挙。
事前の予想で舛添氏圧勝。他に有力候補なし。
急遽決まった選挙だったのでいつもはAKB48を起用するTVCMも素人が出るもので、私は結局1回しか見なかった。
ONAIR数自体少なかったはず。
TVニュースでも盛り上げりにかけると無視状態。
細川&小泉が争点化しようとした原発問題もオリンピック、高齢化、医療費、保育所問題の次くらいの位置になっていた。
選挙のたびに注目される「ネット選挙」知識人やその活動もほとんど取り上げられない。
 これほど無関心で、舛添さんが勝つと事前に宣伝しているとどうなるか?舛添さん以外を推している有権者は行っても無駄だ、ということになり行かない。
当然こういう心理が投票率を下げることを知っている現代人は投票所にはいかない(舛添さん支持者も含めて)。
最終的には律儀に組織票を頼まれた支持者のみが投票に行く選挙になる。
 結局、低投票率の中での舛添さん圧勝となった。

 「若者の投票率の低さ」が、選挙のたびに問題視される。
選挙権を行使しないのはもったいないを通り越して罪だ!罰金を!なんて極端なことを言う人もいる。
しかし、現在の統計学の手法を使えば、選挙前にほぼ正確な予想ができる。
それをTVや新聞は言っちゃうものだから、行っても無駄かどうかが事前にわかっちゃうのだ。
断言しよう!投票率の低さはマスコミが作っているのだ。
投票率が下がれば有利になる人日が誰であるのか?彼らは知っている。
逆に言うとマスコミに都合がいい人を当選させることもできるかも知れない。(選挙に関心が向かないように、ロシアの仕切りのないトイレの話ばかりすることも可能なのだ!)

 今回台風の目と思しき細川さん。
反原発を前面に出して、何やら小泉さんが郵政民営化で取った戦法と同じ危険を感じた勢力とマスコミに都合がいい人が一致したら・・・・
 そんな訳はないだろ!と「やりすぎ都市伝説」好きな私にそろそろツッコミが入ったところで、この話はおしまい。
 

 東京に大雪が降ったこの冬。
何も大事件が起きていなければ、それでいいのだが。

2014年2月6日木曜日

RAWデータで撮る映像の新しい時代!!

すみれ映像舎機材担当より


新しい時代の映像制作を予想します!!





ここ最近めまぐるしく変わる映像業界。アナログ放送はなくなり、地デジになり、そしてまた4Kへと・・・。


映像制作会社はついていくのにやっとです。


そしてまた新しい映像制作の時代、

それが


Rawデータです。


写真ではおなじみのデータ形式ですが、最近では動画でもおなじみになりつつあるのです。




ちなみにRawデータとは何かというと、



〝完成状態にされていない画像データのことである。英語Rawは「生」「未加工」を意味する(Wikipediaより)


ということ、撮影後でも編集できる非圧縮ファイルです。

もっとに言うと後から、光量や色などを厳密に編集出来るようになります。

Rawデータなら背景などが光でとばずに全ての絵をキレイにする事が出来るという事です。

写真カメラマンさん達はRawデータをメインで撮影する事のほうが主流のようです。




そんな便利なデータなら、これからはRawデータで撮ればいいんじゃないかと思われますよね?


実はこのRawデータとてもバカデカいのです。


どのくらいかというと60GBで15分程度しか撮れません。


64GBのSDカード1枚で15分〜20分程度です。
実際の撮影ではまだまだ現実的ではありませんね。



しかし映像現場でこのRawデータがこれから主流になってくる可能性があるのです。


それの流れの一つが急激な値段の低下です。


このRawデータすこし前までは何百万もするカメラでしか撮れなかったのです。


それが今では10万円で買えるようになりました。
(ブラックマジックデザインのポケットシネマカメラです)


急激な値段低下に業界騒然。

ブラックマジックの乱といえるでしょう。



そして二つ目の流れがSonyが参戦?


安くRawデータが撮れる!!にSonyが参戦しました。従来のFS700にインターフェースユニット接続でRawデータ撮影が可能に。

http://www.sony.jp/nxcam/products/HXR-IFR5/










そして今は3つ目の流れを待っているような状態です。


現在の4K映像ブームの時代の裏に、実は密かにRawデータブームが始まりかけています。


以前4Kについて書かせて頂きました。

(4K映像の是々非々
http://sumileblog.blogspot.jp/2014/01/4k.html )



Rawデータ撮影についての課題はまだまだたくさんありますが、
Rawデータがもし実用化される事があれば、4K以上のイチダイビジネスであります。



まず
映画のような、キレイな、美しい、
などとうたっている企業が飛びつくでしょう(我が社もそうです)。


そしてRawデータを民間でも簡単に編集出来るパソコンが普及すれば、
専用編集ソフトが売れ、ビデオ親父、ビデオ女子などと言われる人間が増えるでしょう。
Rawデータ専門の映像会社(素人が撮ったものを加工するなど)が出来てもおかしくないと思います。



とにかくRawデータはプロや民間を賑わすことと思います。


この流れ期待しましょう!!

2014年2月4日火曜日

都知事選とローマ人

都知事が選始まった!

都知事選が始まりました。
ほんの半年前までは英雄扱いだった猪瀬さんが献金問題で辞職し、急遽決まった都知事選。原発廃止を掲げ、細川&小泉の元首相コンビの話題性以外は盛り上がりに欠ける顔ぶれ。

若い人もいない。
女性もいない。
かと言って、与党も最大野党も積極的に推す人もいないという、とうとう人材払底の感すらある都知事選になってしまった。
 猪瀬さんを引きずり下ろすのに元気だった都議会からも誰も都知事をやろうと手を上げるものもいない。
国政や、他県で実績を積んだ人も打って出る!ということもない。
 これはどういうことなのだろう?
 東京に限らず、日本自体に、政治家が育つ仕組みが無いのかもしれない。

塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読んだことがある人は、古代ローマの元老院の仕組みをご存知だろう。
知らない人のために少し説明します。
元老院というと、ヒゲモジャの賢そうな老人が、経済から軍事まで国家の方針を喧々諤々一生懸命議論しているラファエロの絵画のイメージかもしれない。

しかし、これはギリシヤのアテネのプラトンとアリストテレス。それも学問の問答だ。
それでも同じようなイメージをお持ちの人もいるだろう。

実際の元老院は、実に多彩な機能があった。時代によって構成するひとびと・機能・国家の役割が違うが、共和制時代の政治家養成機関としての元老院を説明します。

 ローマの国家元首は、執政官、定員2名で軍の最高司令官でもある。(塩野さんの喩えは『首相権防衛大臣兼統合参謀本部長』だ。)
その執政官の諮問機関が元老院だ。ローマの財務系の官吏であるクワエストル、貴族ではなく平民の代表者と言える護民官の経験者、名家の子弟がなって終身だった。
世襲ではない。そういった軍事を含む行政経験者が、元老院入りし、老人だけではなく、壮年の男性も多くいた。
ローマのエリート官吏はほぼ全員軍隊経験があり、議員といえど、戦時には一兵士として戦場に死ぬことすらあった。
ローマには戦いの神ヤヌスを祀る神殿があり、戦時にはその扉が開かれていた。
この扉はほぼ閉じられ得ることがなく、どこかで戦争をしていたローマにおいては、今日、議員だった者が、あすの戦場に死ぬことはざらにあったという。
高貴なるものの責任を表す「ノーブレス・オブリジュ」という言葉の語源は凄まじいものがある。

 また元老院で経験を積み、財務官や、法務官といった政務官の代表にもなっていた。今の大臣になるだろう。
つまり元老院は、人の出入りが多く、そこがゴールではなく、再び、行政官にもどるし、戦場にも行くし、ローマの属州や属領に赴任することもあった。
言ってみれば、巨大な政治家養成機関であったと言える。

 もし日本で同じような仕組みを作るとしたら、国会とは別に、学生・社会人から選抜、数万人単位の巨大な受け皿組織を作る。
彼らを中央や地方、国外で行政を経験させる。自衛隊の地方の出納官吏、過疎地の振興事業、建造物の保守、国境の警備、途上国の支援業務、何でも経験させる。
過疎地や、災害があったところにも有機的に人を派遣させる。
その上で、40歳を過ぎたあたりから、個々の適性を見、中央省庁の要職につけたり、国会議員にする(立候補させる)
国家試験時の成績で、省庁や一生の席次が決まる今の仕組みでなく、社会の変化に対応できる人材を常にプール、常に育成、人の出入りも緩やかにした人材プール機能の組織が必要なのかもしれない。
20代、30代で慌てて政治家になる必要は無い。かのシーザーも40過ぎて政治家のキャリアがする。

 いま日本で政治家のキャリアは、どうやって育成されるか?

まず、出身職業だが、①地方議員出身、②政治家秘書、③官僚出身、④組合・政党等の職員、⑤弁護士、⑤タレント・スポーツ・ジャーナリスト他となる。(政治家の子供は職業ではないので出てきません。)

その後は、所属する党の仕事、各委員会の仕事、与党になり政務副大臣、政務大臣をしたあと、党の要職、大臣あたりがゴールになる。
大臣になっても、官僚のトップ、事務次官にいろいろ教えてもらわなくてはいけないので、有権者は、政治家を選んでいるのではなくて、官僚の生徒を選んでいるに過ぎないのかもしれない。
 
都知事になるような政治家は、行政能力があるだけでは、ダメで、都議を何年もやっているだけでもダメ。
こういう東京や日本の元首となる人には、普通の政治家以上の何かが必要で、そこまで養成することはできないだろう。


ただし、強烈なカリスマがなくても、適所に適材を置くシステムは作れると思う。


ローマの元老院のような人材を育成しながらプールする機関を作れないものだろうか?

2014年1月30日木曜日

舞台を、映像に2

舞台を映像に。本日は二回目です。
NHK教育番組のような導入で失礼します。


最近、人生いうものは、ほんのささいなことで行くべき道が分かれてしまうのだなと思います。
そんなわけで本日は、少々昔話から。


あれは、まだ僕が小学校に入学する前。
当時の僕は、絵を描くのが好きでした。
なんのことはない動物などを、新聞の折り込みチラシの裏や、コクヨの「じゆうちょう」などに描きなぐり、日々を過ごしていました。

思えば、運動もろくにできず、外で元気に走り回ることもできなかった僕にとって、絵を描くということだけが、ある種のステイタスだったのでしょう。
幼稚園で絵を描けば、幾度か「金賞」という名のついた、今となってはなんなのかよくわからない賞に表彰されたこともありました。

そんなある日、いつものように幼稚園に行くと、その日は衣替えだったようで、僕以外のみんなが、上着を着ていました。
たしか、おばあちゃんに、「暑いから脱いでいけ!」と言われたのが原因だったと思います。
僕だけが上着を着ないままに、その場に佇んでいました。

当然、門のところで先生に止められました。「上着はどうしたの?」と。
僕は悪びれることもなく、「忘れた」と言いました。上着をちゃんと着た友達が、僕を振り返り、心配そうな表情を浮かべています。
まぁ、これは怒られるだろうなと、幼い心に思いました。

するとその先生は、もう一人近くにいた先生を呼び、なにやら小さな声で相談を始めました。
ほとんど聞き取れはしませんでしたが、一言だけはっきりと
「この子、金賞だしね…」
と、悩ましげな先生の声が聞こえました。

次の瞬間、僕はなんのお咎めもなしに、幼稚園の中へと通されました。
「そうか。権威とは…こういうことか。」
幼心に、そんなことを思ったのを、よく覚えています。


そんな、ある日のことでした。
いつものように「じゆうちょう」を開き、その紙の上に鉛筆で線を走らせることに身を任せ、その快楽に恍惚としていると、
大好きなおばあちゃんが僕の描いている絵を覗きこみ、
一言、こう言いました。

「よっちゃん、下手になったね」

よっちゃんとは、僕の名前でした。一瞬違うかなとも思いましたが、僕の名前でした。


その日から、僕はまったく、絵が描けなくなりました。


金賞を取りまくり、幼稚園のドレスコードをぶっちぎるほどに肥大していたはずだった僕のステイタスは、
なんのことはない、たったの一言に殺されたのです。

その後も、そのトラウマからか、小学校で絵の課題が出されても一切何も描かず、ボイコットをするようになりました。
「なんでなにも描かないの!?なに描いてもいいんだよ!」と小学校の先生が怒鳴っても、僕は唇をかみしめ、なにも描こうとはしませんでした。
自由になんて、僕には描けません。
僕の「じゆうちょう」は、あの日になくしてしまったのです。


そんなこんなで、僕は今、とても絵が下手です。

漫画が好きで、漫画家になりたいと思ったこともありました。しかし、絵を描くことの恐怖からか、すぐに諦めました。


もしもあの一言さえなかったら…僕は画家か漫画家になれていたかもしれない。おばあちゃんを恨むわけではないですが、そんな風に考えてしまうこともあります。

でも今の僕は、甥っ子にせがまれて絵を描けば、真顔で見つめ返され、
友達の結婚式の余興で絵を描けば、下手すぎて「こわいよ」と笑われてしまうのです。

これが、かつての金賞少年の、なれの果てなのです。


なにが言いたいのかよくわからなくなってきたので、本題である舞台の話をします。

そんな僕が、今まで見た舞台で一番衝撃を受けたのは、「夢の遊眠社」という劇団さんの「贋作・桜の森の満開の下」という公演でした。

出会ったのは高校時代。
先輩から借りた、一本のビデオテープでした。

生で観たわけでは、ありませんでした。
しかし、それを見た時の、「こんなにおもしろいものがこの世にあったのか」という衝撃は、僕を富山の片田舎から上京させ、10年以上も演劇の世界に縛り付ける結果を生みました。

そもそもが、僕が4歳の時に公演された舞台です。
生で観ることは、かなわなかった公演なのです。

それがなんの因果か、時間も場所も飛び越えて、僕の目の前にあらわれたのです。

舞台は、終われば何も残りません。それが魅力と言う人もいます。
しかし、僕の人生が、たった一言、たった一本のVHSで変わったように、
少しでも残すことができれば、そしてそれが見に来られなかった人のもとにまで届くことができれば、その人の人生のなにかが変わるかもしれない。


それは、とても素敵なことだと、思うのです。