2014年1月16日木曜日

舞台を、映像に

はじめまして。本日このブログを初めて書く人間です。

今年からもっとブログも頑張ろうと言う社内方針が決まり、週に一回は誰かが書くという持ち回りシステムが採用。そのため、めでたく駆り出されてまいりました。
せっかくなので、そう頻繁でないペースではありますが、駄文を綴らせていただきたいと思います。
今後ともすみれ映像舎を、よろしくお願いいたします。


さて、私はこれまで約10年ほど、いわゆる小劇場と呼ばれる場所で、演劇という名の付く活動をしてきました。
今現在、活動の方は休ませていただいています。ちなみに、辞めたつもりはありません。

そんな経験および、今現在の映像会社スタッフという立場を生かし、
今後は「舞台を映像にする意義」について、書いていけたらと思っています。


ではさっそくですが、
「舞台を映像にする。」
その行為自体、あまりポジティブに受け止めていらっしゃらない方も、多いのではないでしょうか。

その理由は多々あれど、一番はやはり、
「生で見るよりおもしろくなくなってしまう」ところにあると思っています。

実際そう思われてしまっても仕方のないように、残念ながら今現在の映像技術では、実際に舞台芸術を生で見たときの空気感、息遣い、エネルギー、熱…その舞台自体が持つ魅力のすべて、体感することのできる情報量のすべてを、あますところなく表現するということは、できません。
近年の技術の進歩もすさまじいので、いつかそれができてしまう時代も来るかもしれませんが、あくまで今のところは、です。


映像と舞台は別物です。そして舞台は生で観た方がおもしろい。
映像会社の人間としてはジレンマですが、どうしたってその事実は覆すことができません。


ただ、だからと言って、映像にすることに意義がないということにはなりません。





例えば、現在わが社のチャンネルでも紹介させていただいているこの動画。
これは、昨年10月に私が所要で島根を訪れた際、偶然撮影できたものです。

360度の虹が空いっぱいに広がっているように見えるこの現象を見た時、私はあまりの衝撃に思わず泣き笑いし、気付くと夢中でカメラを回していました。

写真や動画を撮りまくりながら、一番よく見える場所を探して走り回り、時には人目もはばかることなく道路に寝転んで撮りました。

当然、動画では、実際にその場にいた感動の何分の一ぐらいしか伝えることはできません。

それでもその時の私は、
この現象を残さなくてはならない、誰かに伝えなくてはならない、
そんな義務感のようなものを、感じていました。


私は最近、舞台芸術も、「現象」と呼んでいいのではないかと思っています。

さまざまな気象条件が偶然にもそろったため出現したこの動画の自然現象と同じく、
ある特定の日、時間、場所において、
そこにたまたま立ち会って下さったお客様との間に生まれることができた、現象。

そんな現象を、瞬間を、
欠片でもいい、
残したい、伝えたい。

その衝動は、大切なことのように思うのです。


他にも、映像が舞台に対してできること。その可能性は、決して少なくありません。

今後また、書いていけたらと思っています。



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