2014年1月14日火曜日

ACミラン劇場 本田の章開幕

本田にまつわるお金の話。

ミランからCZKAモスクワへ提示していた移籍金 最高300万ユーロ(39000万円)
CZKAモスクワがミランに提示していた移籍金 最低400万ユーロ(52000万円)
CZKAモスクワが冬までホンダを引き止めたために逃した移籍金 最低300万ユーロ

本田の年棒:手取り275万ユーロ(35750万円) ※45000万円という報道もあり。
ミランが代理店を通じて、日本の大手広告代理店と日本国内のロイヤルティー独占契約・・毎年600万ユーロ(85000万円)
ミラン:複数の日本企業とスポンサー契約・・・1000万ユーロ(14億円)
本田のユニフォーム収益:5000着で50万ユーロ、さらに増加中

 ミランとCSKAモスクワが交渉していた夏ごろは、1ユーロ=130円相場だったが、円安傾向で、今は1ユーロ=140円で計算されている。スター軍団ACミランは、最近5シーズンは3位、3位、1位、2位、3位と好調。イブラヒモビッチ、シウバは抜けたが、カカの復帰で補強は充分。少なくともミランを不安視する声はなかったと思う。(もしかしたら、現在の低迷を予測した人がいたかも)夏の時点で、現在の11位なんて誰も想像しなかったし、本田は無理にでも取る理由はなかった。日本のエース本田の周辺にちらつくお金の誘惑を耐えるのは相当我慢が必要だったかもしれないけど。
しかし、寝かせた半年の間に、思いがけないチームの不振、日本代表のオランダ、ベルギーとの健闘が、妙な具合に発酵して本田待望論、そして今の本田フィーバーが生まれている。ミラン自体はスポンサーにユーロで提示しているので、半年で諸契約金が増えたわけではないが、円安傾向が、日本企業を急かし、契約が有利に進んだことは間違いない。

本田を半年遅れで迎えたが、チームには、払った以上の大金が舞い込んできた。こんなACミランだが、一昨年のシーズンの総収入は25690万ユーロ(333億円)、そのうち人件費が16000万ユーロ。イブラヒモビッチ、シウバの退団、人件費が経営を圧迫しているのは確かだろう。倍以上の収入のあるレアルやバルセロナ、マンUのアジア市場の開拓など、もっと経営がうまいクラブはある。本田獲得でうまくやっている印象があるが、そこはイタリア人、意外と大雑把な経営をしているのかもしれない。ちなみにマリノスの営業収入37億円。
その経営陣は現在二頭体制。会長ベルルスコーニの無二の親友で、27年チームを切り盛りしているガリアーニCEO兼副会長と、チームの低迷を見かねて12月に同じくCEO兼副会長として会長の次女バルバラ、69歳の老雄と、29歳のパワフル&シングルマザーの体制だ。共和制ローマ時代ならば、執行官(コンスル)2名で統治する二頭政は、優れた仕組みだった。宿敵カルタゴを破り、空前の繁栄の礎を築いたが、現代のミランの二頭政は、混乱を生みそうだ。話題性は抜群なのでマスコミは大喜びといったところ。

本田の活躍のみならず、様々なドラマが凝縮されたACミランが面白くないはずない。今朝はデビュー戦となるサッスオーロ戦を見た。自分が寝ぼけてるのかと思うほど靄の中で試合スタート。あっという間に、本田が出やすい状況になる2-0。格下は違うなと思っていると、立て続けにベラルディに3得点、逆転を食らう。後半に入ってさらにベラルディに4点目。彼は今日、日本で一番有名なイタリア人になったはずだ。誰がどう見てもひどいチームだ。迷いながらも中盤の2選手を替えた後に、本田交代を決める。
贔屓目に見ても、本田が入って様子が変わった。本田の球さばきの安心感は、それまでドタバタしていた攻撃に落ち着きを与えた。本田が入って以降は自陣がTVに映ることはほとんどなかった。自分で果敢にこじ開ける、という雰囲気はなく、右サイドで、なんとなくいなしていると思っていると強烈な左足のシュートが、バーを直撃。明らかに雰囲気が変わり味方のシュートで1点返す。本田は強引に切り込むというより、適所でパスを回していくという動きで、その後も何度か攻め込む形を作るが、そのままゲーム終了。FKCKを本田が蹴ることになっていて、誰も文句言わないのが意外だった。
結果よもやの4-3の大量失点で負け。「監督クビ」なんてニュースが入った。

バロッテテッリ、モントリーヴォは個人の力で得点した。カカ=本田は、パスをつなぐサッカーを考えているように見える。ただし、本田は「個」の持つ打開力も、W杯に向けて課題にしている。今後はそういう動きも見せるはず。
ミランの試合、場外も含めてこれからも目が離せない。次の試合が待ち遠しい。


高額な経費、経営トップの確執、チームの低迷、次期監督問題、ますます巨大化するサッカービジネス、W杯イヤーの前哨戦とポストW杯後のサッカー界、ACミラン劇場は、ますます白熱する。そして本田の章に舞台は移る。

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